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「驚くべき日本語」(ロジャー・パルバース) [言葉]

 毎日新聞今年4月13日の書評欄(←残念ながら会員でないと見れないようだ)で見て、タイトルにまず惹かれた。一体どういうことか?と。

驚くべき日本語 (知のトレッキング叢書)

驚くべき日本語 (知のトレッキング叢書)

  • 作者: ロジャー・パルバース
  • 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 まさかの想像外! 冒頭批判される「日本語は難しく、外国人にはその微妙な意味・味わいは理解できない」という偏見は私も持っていた。実はそうでないのだ、言語そのものは本来どれも「中立的」であり、歴史的文化的背景をそれぞれ持っていて、その文脈的理解が必須であることは日本語理解においても同様であり、日本語にはこんなに良い点、優れた点がたくさんあるということを、詳しく展開してくれる。実になるほど頷ける話ばかりである。実に面白い。

 膠着語であるがゆえの柔軟性、語彙が少なくても組み合わせで豊かなニュアンスを表現できる、オノマトペの豊かさ、形容詞の簡潔さ、助詞の機能、動詞活用変化のシンプルさ、省略語の生成の容易さ、など…。
 日本語は他国人にとって決して難しい言語ではなく習得は(話し言葉においては)容易であり、そして英語のような世界語になれる可能性があるという主張にも瞠目した。
 多国語習得の際の心得、母語(=第一言語)を一旦捨て、頭を白紙状態にすること。と言われてもなかなか難しいよなとは思う。

 著者はアメリカ人だが、もう半世紀近く日本在住で、日本語を完全にマスターしており、第二のアイデンティティになっており、自然と英語よりも日本語で考えたりしていると言う。宮沢賢治への傾倒ぶりは凄い。

 それにしても、なぜこの本を英語で書いて別の人(早川敦子・津田塾大学英文学科教授)に翻訳してもらったんだろうか?という疑問は残った。他に沢山日本語の本を出しており、並みの日本人よりも日本語に対する感性は深いくらいの人なのに、とは思った。執筆内容を英語で考えて書いたとは思えないので、ちょっと違和感がある。

タグ:日本語
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