「天冥の標VII 新世界ハーブC」(小川 一水) [SF]
また前巻から間が空いてしまい、相当記憶が薄れてしまっていて、物語世界に入っていくのに手間取った。巻末の膨大な年表・人物・用語集を頻繁に参照するはめになった。
前巻で宇宙大戦争が起こり人類絶滅の危機が訪れたが、その中でわずかに生き残った衛星セレスの住人(のうちの大人を除いた子どもたち)が地下のチェンバーに避難して過酷な環境・状況下でサバイバルのために奮闘する物語。
「十五少年漂流記」的な風合いがある(いやむしろ「蝿の王」か?)のだが、登場人物・勢力背景や技術的要素が多く、ストーリーはずっと入り組んで複雑。途轍もないプレッシャーの下、人類存続のために苦心惨憺する、ほとんど「英雄的」な若者群像。その個性、キャラはよく立っている。危機につぐ危機、政治的な動きと経済と医療、軍事。夥しい犠牲への痛恨…。
「ご都合主義的」なところは依然としてあって、どうも展開に無理を感じたり、そもそもなんでそうなるの?どういう機序で?と納得がいかない場面も多いのだが、《勢い》はある。
この舞台がいずれ第1巻の「メニー・メニー・シープ」へとつながるというのが最後まで読んでやっとわかった。時系列的に最後に近い時代がいきなり第1巻だったわけで、こういう構成はかなり無理があるんじゃないだろうか?という気はする。
普通は「伏線」が散りばめられて、その後にそれが回収される、という展開をするのだが、先に帰趨が提示され、後からその発端や遠因が示されるという手法は、このような長大なスケールのストーリーには向いていないんじゃないかと思うのだが、作者の意図はそうではないようだ。
いずれにせよ、ここまで読み続けたからには最後まで付き合おうとは思う。
前巻で宇宙大戦争が起こり人類絶滅の危機が訪れたが、その中でわずかに生き残った衛星セレスの住人(のうちの大人を除いた子どもたち)が地下のチェンバーに避難して過酷な環境・状況下でサバイバルのために奮闘する物語。
「十五少年漂流記」的な風合いがある(いやむしろ「蝿の王」か?)のだが、登場人物・勢力背景や技術的要素が多く、ストーリーはずっと入り組んで複雑。途轍もないプレッシャーの下、人類存続のために苦心惨憺する、ほとんど「英雄的」な若者群像。その個性、キャラはよく立っている。危機につぐ危機、政治的な動きと経済と医療、軍事。夥しい犠牲への痛恨…。
「ご都合主義的」なところは依然としてあって、どうも展開に無理を感じたり、そもそもなんでそうなるの?どういう機序で?と納得がいかない場面も多いのだが、《勢い》はある。
この舞台がいずれ第1巻の「メニー・メニー・シープ」へとつながるというのが最後まで読んでやっとわかった。時系列的に最後に近い時代がいきなり第1巻だったわけで、こういう構成はかなり無理があるんじゃないだろうか?という気はする。
普通は「伏線」が散りばめられて、その後にそれが回収される、という展開をするのだが、先に帰趨が提示され、後からその発端や遠因が示されるという手法は、このような長大なスケールのストーリーには向いていないんじゃないかと思うのだが、作者の意図はそうではないようだ。
いずれにせよ、ここまで読み続けたからには最後まで付き合おうとは思う。
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