SSブログ

「ビアンカ・オーバースタディ」(筒井 康隆) [SF]

あの筒井康隆がライトノベルを書いた!ということで、昔からの筒井ファンとしてはこれは〈読まずに死ねるか〉ものかと、買って読んだ。

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/08/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


 うーん、確かにラノベの体裁、つまり学園舞台設定、キャラ立て(超美少女とオタク)、萌えイラストなどの要素が盛り込まれている。しかしあくまでも筒井ワールドである。グロかったり、スラプスティックなドタバタがあったり、超虚構のほのめかしがあったり、同じテキストのコピペ繰り返しがあったり、(「わぁわぁ泣いた」的表現は出てこないが、それに近いのは頻出する)。やはりまぎれもなく筒井作品だ。面白さはそこそこだったので、読まなくても死ねる程度とでも言おうか。女子高生が主人公のタイムトラベルものであるせいか、10年代の『時をかける少女』」と腰巻きに書いてあったけど、とてもそこまで行ってないかと。

 あとがきで本人が
>この本にはふたつの読み方がある。通常のラノベとして読むエンタメの読み方、そしてメタラノベとして読む文学的読み方である。
と述べているように。

 ただ、
>できればこの本を読んだ何分の一かの読者を、わが本来の作品に誘導したいだけなのである。
…という狙いについて。これはどれくらい奏功するかは疑問。〈ラノベ読者は卒業しない〉のではないか?と思うので(←ごくわずかのサンプルにしか基づいていない推論なので、全く信憑性はないのだが)。コアなラノベファンは〈イラストのない文字だけの小説には手を出さない〉の法則があるんじゃないか?などと思ってたりするのだった。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。