「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」(村山 斉) [サイエンス]
タイトルに惹かれて借りたのだが、宇宙のことなんて全く知らない、というような中高校生向けに書かれた入門書だった。冬はなぜ寒いかなんて説明から始まるし…。
そこで止めてもよかったんだけれど、先の方には何が書いてあるのか気になったので、全部読んだのだが、話はかなり高度な大宇宙の来し方行末を語る展開にはなる(この段階で、本来想定読者がついて来れるの?と心配になった)のだが、やはり殆ど全て既に知ってることばかりだった。
ダークエネルギーが「真空のエネルギー」だとすると、観測値はその10の120乗も小さい、というのは初めて知った。(「真空のエネルギー」というのがそもそも良くわからないんだけど。対消滅の逆の対生成を起こすエネルギー?)
私はこの啓蒙入門書は失敗だと思う。文体は優しいんだが、「噛んで含める」ような表現になっておらず、日常的な感覚では到底想像できないような極微と極大の世界の難解な概念を次々に沢山並べ立てすぎていて、呑み込みにくいだろう。これだけの内容を少ないページ数と大きめの活字で盛り込むのには無理があるんじゃなかろうか。私も既存の知識と照らし合わせながら、その〈表現の意味するところ〉を再確認するような形で読んだ。
著者本人はわかりやすく書いてるつもりなんだろうが、そうなっていない。実際の子供をイメージして手を引いて導く、躓きそうになるところは詳しく、比喩やオノマトペなども動員してもっと直感的にわかりやすく書く方法があったんじゃないか?と思う。一流の学者必ずしも一流の教師たりえず、の感がした。
ただ、中学生でも宇宙というものの底知れぬ不思議さというものにそこはかとなく気がつく事は出来るかもしれない(最後まで投げ出さなかったとして)。それで宇宙への興味、もっとよく知りたいという欲求を喚起できればいいのだが…。
そこで止めてもよかったんだけれど、先の方には何が書いてあるのか気になったので、全部読んだのだが、話はかなり高度な大宇宙の来し方行末を語る展開にはなる(この段階で、本来想定読者がついて来れるの?と心配になった)のだが、やはり殆ど全て既に知ってることばかりだった。
宇宙はなぜこんなにうまくできているのか (知のトレッキング叢書)
- 作者: 村山 斉
- 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
- 発売日: 2012/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ダークエネルギーが「真空のエネルギー」だとすると、観測値はその10の120乗も小さい、というのは初めて知った。(「真空のエネルギー」というのがそもそも良くわからないんだけど。対消滅の逆の対生成を起こすエネルギー?)
私はこの啓蒙入門書は失敗だと思う。文体は優しいんだが、「噛んで含める」ような表現になっておらず、日常的な感覚では到底想像できないような極微と極大の世界の難解な概念を次々に沢山並べ立てすぎていて、呑み込みにくいだろう。これだけの内容を少ないページ数と大きめの活字で盛り込むのには無理があるんじゃなかろうか。私も既存の知識と照らし合わせながら、その〈表現の意味するところ〉を再確認するような形で読んだ。
著者本人はわかりやすく書いてるつもりなんだろうが、そうなっていない。実際の子供をイメージして手を引いて導く、躓きそうになるところは詳しく、比喩やオノマトペなども動員してもっと直感的にわかりやすく書く方法があったんじゃないか?と思う。一流の学者必ずしも一流の教師たりえず、の感がした。
ただ、中学生でも宇宙というものの底知れぬ不思議さというものにそこはかとなく気がつく事は出来るかもしれない(最後まで投げ出さなかったとして)。それで宇宙への興味、もっとよく知りたいという欲求を喚起できればいいのだが…。
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