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「リアル・スティール」 [映画]

面白かった!
 リチャード・マシスンが1956年に発表した短編小説『四角い墓場』が原作。監督のショーン・レヴィの作品(「12人のパパ」「ピンクパンサー」「ナイトミュージアム」等)は見たことはない。

※ 以下ネタバレあり ※



























 予告編を見て面白そうだと興味を持った。cocoでの評判も上々。
 ただ、予告編では子供から見た〈父親が威厳を発揮する〉みたいな話かと思ったのだが、ずいぶん違っていた。もちろん父が最後に本領発揮する場面も用意されてはいるのだけれど。主役はむしろ、子役の息子マックス(ダコタ・ゴヨ。…ダコタって、ネイティブアメリカンの地名じゃないの?ゴヨって何だ、なんかの誤用か?)の方ではないのか?
 この子役はいい。まだあどけないが存在感と演技力は大したもので、俳優として大器になる予感を抱かせる。スピルバーグが惚れ込んだというが、「レオン」でデビューしたナタリー・ポートマンを見たときに似た印象を持った。今後が楽しみだ。

 突っ込みどころはたくさんあって、ストーリー展開(「僕を売ったな!」と反発した子供がなんで唯々諾々とついて来るの?など、父子関係の心理描写)がご都合主義だし、埋設廃棄されてたスクラップがなんでああも簡単に子供の手で生き返るの?とか、あんなに殴り合って倒れてなんで回復するんだよ?とか、金属がぶつかってなんで火花が飛ばないの?とか、いくらでも言えるのだが、言わないことにする。(←って言ってるし…)
 なので、情けなかった父親が頼もしく変わり…、というノスタルジックなアメリカの古き良き父子関係的な〈テンプレ〉にはあまり感動しなかった(落涙者は続出したらしいけども)。そこが狙いなのは見え見えにわかるのだが。

 それより、本来は単なる道具立てであろう筈の、ロボット同士のボクシング格闘場面の迫力がなかなかの見物だった。モーションキャプチャーで動くCGだから自然に見えるのは当然として、画面の中に非常にうまく溶け込んでいてリアル感がすごい。つまり動きそのものよりも、実写との合成技術のほうが凄いのではないか?ブルーバック使ってるとは思えないのだが?
 ロボットCGと言えば「トランスフォーマー」だろうが、あれは極端すぎてリアルさが無い。
 それにしても、ロボットの名前が「ATOM」だったり、最初に出てきた奴に漢字のロゴがついてて日本語音声に反応したり、どんだけ日本オマージュなんだろう? 元々クリスチャンたる西洋人はロボットというものに対して日本人のように擬人化せず、ゴーレム的な異形の存在と見ていた(のに対し、日本人は鉄腕アトムの影響が大で工業用ロボットにすら愛称をつける、とか)と思うのだが、潮目が変わってきているのだろうか? この作品もロボットの「人間味」を漂わせていて…。
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