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「華竜の宮」(上田 早夕里) [SF]

この作家の名はだいぶ前から目にはしていたが、読むのは初めてだ。二段組580ページに及ぶ大作。一気読み。

華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

華竜の宮 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

  • 作者: 上田 早夕里
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/10/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 日本SF大賞候補作(「まどか☆マギカ」も候補になってるが)。その名に恥じない大作・傑作だ。壮大なスケールで地球と人類の運命を、多くの人々を助けようと奮闘尽力する一外交官を主軸に描き出す。
 国際的な政治、経済、軍事のダイナミックな要素を盛り込み、地球物理学、遺伝子工学、人工知能を背景設定に駆使した重厚長大な作品。その作風は小松左京の「日本沈没」を彷彿させる。そこに登場する各人物たちの造形も素晴らしい。特に主人公の高潔にして使命感にあふれた精神は感動的。暴力によらず、言葉の力によって困難なトラブルを解決しようとする、その意気たるや!
 近年読んだSFの中で出色の迫力と興奮だった。こんな凄いSFが女性の手になる作品とは!

タグ:地球 温暖化
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コメント 1

ask

第32回日本SF大賞受賞の報がTwitter上に流れました。
by ask (2011-12-11 18:52) 

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