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「モールス」 [映画]

 幸か不幸か、先月ついに「毎日どこでも千円で映画を見られる」身となってしまった私なのであるが、映画好きな人からは垂涎だろうこの身分、今のところそんなに活用していない。今日でたった2回目だ。仕事もしていない暇な身でこれでは、「映画好きです」なんて名乗る資格はないだろう。
 その記念すべきシニア割引を使った第1回目は西新井Arioで、この映画を観るつもりで行ったら、なんと前日で終わっていたため、仕方なく観た「カーズ2」。これについてはブログを書く気になれなくて書かなかった。(面白くないわけではないが、少しハメを外し過ぎててリアルじゃない。まぁクルマが生きものな時点でリアルじゃないんだけど、それ以上に物理法則を無視しすぎ。つまりお子ちゃま向け。なのに007へのオマージュたっぷりなのはなんかちぐはぐではないか?)

 で、「モールス」を見逃したことをツイートしたら、すぐさま銀座テアトルシネマのアカウント @ginza_theatrs に捕捉されて、いきなりこんなリプライを貰ったのだ。
 ここまで親切にされては観に行かざるを得ないではないか。というわけで、午後7時以降からの初回という遅い時間帯ではあるが、行ってきた。ガラ空き状態(観客数20人くらい)、連休最終日の夜とは言え少なすぎる。それもあってか、シニア料金を申告して免許証を見せようとしたら、「確認証明要りません」と言われた。もしかして、もう「見た目明らかにその年齢層」なのか? orz

(以下ネタバレあり)
























 そもそもなんでこの映画に注目したかと言うと、あの「キック・アス」で大活躍して大注目の、ナタリー・ポートマンの再来かと思わせた子役女優クロエ・グレース・モレッツが出ているという、ただそれ一点。

 で、この作品、「ぼくのエリ」というスェーデン映画(観ていない)のリメイクと言うではないか。これは最近の、確かせいぜい2年くらいしか経ってない映画の筈。まぁハリウッドもネタ切れに悩んでいるようだが、すぐに文庫化するみたいで、すこし余裕がなさすぎるんじゃないだろうか? そもそもリメイクというのは、「往年の名画」に対するオマージュがまずあり、そこに新解釈やディテールのバリエーションをいかに付け加えるかがキモだと思うが、「面白いので二匹目のドジョウを狙って」という安直な企画、のように思えてしまう。とは言え、今回の場合はリメイクなりの描き方・重点の違いが相当あって、両方観た人たちは比較しての違いの妙も味わっているようなので、作った意味はあったんじゃないかと思われる。
 「ぼくのエリ」というのは〈200年も若さを保って生きている少女との恋〉を描いた映画という、なにやらロマンチックなファンタジー映画か、という程度の知識しかなかったので、今日見てちょっと驚いた。なんとヴァンパイアものではないか!しかも相当にグロい。本来ヴァンパイア映画って、グロよりはエロなものじゃなかったの、と思うのだが、かすかにエロ的要素はあるものの、グロ成分のほうが圧倒的に大きい。このクロエ嬢、こういう企画しか回って来ないの?ちょっと可哀想じゃないかい?

 で、グロいけれども実は〈純愛〉映画なのであった。あるいは思春期映画、またはイジメ問題映画、もしくはアダルトチルドレン映画。異種間恋愛映画とも言えるかも? ことほど左様に多面的と言える。なので、ただのホラー映画と思うなよ、ですな。

 結末は、「永遠の繰り返し」を明らかに示唆していて解りやすいし、一種のハッピーエンドと言えるかも知れない。
 cocoの感想を見ると、「ぼくのエリ」の方が良かった、という声がやや多かったようだ。機会があれば観てみたい。

 で、肝心のクロエちゃんだが、「キック・アス」からたいして時を経ていないのにだいぶ顔つきが変わっていて、成長期にあることを痛感させられた。いかにも子供っぽくふっくらとした頬や唇が徐々にエッジが立ってきて形をなしていく過程が垣間見え、これからさらにどう変化していくかを見届けたい、という思いがした。(人生は無常だ。)

 ※蛇足:ちなみに先日3・11にちなんで世界の映画監督が3分11秒という時間枠で競作した映画祭のさわりをTVで観た際に「ミツバチのささやき」「エル・ニド」の主演女優アナ・トレントの現在の姿を見たのだが、その変わりっぷりにも同様の感慨を持ったのだった。
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