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「まだ科学で解けない13の謎」(マイケル・ブルックス) [サイエンス]

日頃、あまりにも唐変木な宗教あるいはオカルト的思考に接するたびに、その非科学性、無知蒙昧を嗤いたくなるのだが、そういう時は科学というものに真理としてほぼ全幅の信頼を持って考えている自分が居る。
 しかし、自然や宇宙や生物のことをかなり解明したとは言え、科学は未だに不完全なのであった。「変則事象(unnormaly)」というものがそれを突き付けているのだ。つまり未だ解明されていない、説明できない現象のこと。
まだ科学で解けない13の謎

まだ科学で解けない13の謎

  • 作者: マイケル・ブルックス
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2010/04/22
  • メディア: 単行本

 この本は、そんな現代科学が直面する謎を扱い、詳しく状況報告(今までの研究の流れ、論争、問題点、今後の展望(の不確かさ?))を語った本で、著者は量子物理学博士にして科学ジャーナリスト。
その変則事象とは、(以下、amazonよりコピペ)

1 暗黒物質・暗黒エネルギー――宇宙論の大問題。でもそんなものは存在しない?
2 パイオニア変則事象――物理法則に背く軌道を飛ぶ二機の宇宙探査機
3 物理定数の不定――電磁力や強い力、弱い力の強さは昔は違っていた?
4 常温核融合――魔女狩りのように糾弾されたが、それでよかったのか?
5 生命とは何か?――誰も答えられない問い。合成生物はその答えになる?
6 火星の生命探査実験――生命の反応を捕らえたバイキングの結果はなぜ否定された?
7 ”ワオ!”信号――ETからのメッセージとしか思えない信号が一度だけ……
8 巨大ウイルス――私たちはウイルスの子孫? 物議をかもす異形のウイルス
9 死――生物が死ななければならない理由が科学で説明できない
10 セックス――有性生殖をする理由が科学ではわからない
11 自由意志――「そんなものは存在しない」という証拠が積み重なっている
12 プラシーボ効果――ニセの薬でも効くなら、本物の薬はどう評価すべきか?
13 ホメオパシー(同種療法)――明らかに不合理なのになぜ世界じゅうで普及しているのか?

と壮観だ。「変則」なんて言うと、ごく些細な例外みたいな印象を持つが、どれも大きな問題ばかりではないか! これらは是非とも解明して欲しいものばかりだ。我々人類はまだいかに無知なのか、が痛感させられるような話で、ヘンなものを信じている人に「そんなの科学的じゃないよ」などと言って済ませていられる状況ではないと、科学そのものの未熟さをひしひしと感じた。
 特に全宇宙の質量エネルギーの98%を占める暗黒物質・暗黒エネルギーの件は、まだ宇宙のことが殆どわかってないということではないか! 正直ショックな話だ。これらの事象が解明されるにはパラダイムシフトが必要なわけだが(いや、その結果起こるのがパラダイムシフトか)、それが起こるときには自分も生きていて立ち会いたいものだ、と強く思う(可能性は低いか)。
 この本を読んで、人類は、やはり科学を追究するためにこの宇宙に生まれたのではないだろうか?との感を深めた。
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