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「ペンギン・ハイウェイ」(森見 登美彦) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]

「夜は短し歩けよ乙女」、「新釈 走れメロス」以来、久々に森見登美彦を読んだ。これ以外は読んでない。
 郊外の町を舞台にペンギンが大量に出現するという怪奇現象で始まるファンタジー。謎の球体や不思議な生き物も出没し、その謎の解明に挑む小学生たち。
ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイ

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/05/29
  • メディア: 単行本

 これはうーん、どうもいまいちピンと来ない。設定が突飛すぎて展開に不自然さがありすぎ。
 ファンタジーだから荒唐無稽なのはいいんだけど、それにしても少しは種明かしというか理屈付けがあっていいんじゃないだろうか?
 この小説は、主人公の小学4年生の男の子の一人称で書かれていて、確かにそれしか書きようがなかったという感じはする。少年のキャラは立っている。早熟で物知りで探究心旺盛な学究派、つまりあまり子供っぽくない小生意気な、と思いきや意外に未熟な抜けてるところはあるし、素直だったりする。ちょっとあり得ないような設定で、感情移入しにくい。子どもが読んでもやはり感情移入はしにくいんじゃないかと思う。(こんな子供は居ねーよ、的に)
 イジメの問題も出て来るんだが、味付け程度で深刻に捉えてはいない。〈セカイ系〉的な冒険が終わった後、一種の成長譚的エンディングにしてあるんだけれど、「現実回帰」的なものじゃなく、依然としてファンタジー的世界観は続いている。露骨な〈夢オチ〉ではないが、実質的には夢オチと言えるのではないか? つまり残念ながら駄作である、と思う。
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