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「定年後のリアル」(勢古 浩爾) [セカンドライフ]

副題ーーお金も仕事もない毎日をいかに生きるかーー
 数多い定年後の生き方を論じた本の中で、本書はそのネガティブぶり(と言って悪ければ「脱力ぶり」か)において出色のものである。まぁ「へたれ」であり「へなへな君」である。
定年後のリアル

定年後のリアル

  • 作者: 勢古浩爾
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2009/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
というわけで、久々の「セカンドライフ」カテの記事である。
 ノンフィクション」のカテでもいいのだが、内容が内容だけに、〈特殊法は一般法に優先する〉だっけ、あれに従って、こちらに書くわけだ。
 大抵の老後本は「趣味や交友や食事など生活をいかに生き生きと矍鑠として楽しむか」的なアクティブでポジティブな視点でハウトゥ的に書かれているが、この本は真逆(←この言葉嫌いなんだが)である。
 基本的に〈ヒッキー〉的な生活。もちろん外出するし、人とも少しは会ったりしてるんだけど、なんというか「弛緩」した生活を淡々と報告している。それは実にまさに「身の丈」の「実感」に基づいた文章である。つまりは一種説得力がある。別に何かを主張してるわけでもないのだが。嘘を書いてない。まさに「リアル」な実際の日常に基づいて書いてるわけだ。ま、面白くもなんともないけど。(なので、人にはお奨めしない)
 著者の勢古浩爾(せここうじ)氏は、「会社員の父から息子へ」「まれに見るバカ」「日本を滅ぼす自分バカ」などの新書を書いているようだ。読むのは初めて。
 洋書輸入会社に34年間勤め、59歳で退職。現在62歳。再就職せず、妻もおらず、一人暮らしで、(原稿書き以外)何もせず、ぶらぶらと暮らしている。毎日が全く自由だが、それを満喫していると言うわけでもない。まだ老人としては初心者の年齢なのだが、既にかなり「枯れきって」いるような感じ。体はまだ健康なんだが。
 で、お金もそんなに無いし将来不安はあるが、それでくよくよしててもしょうがない、とあえて思考停止して暮らしているわけだ。じたばたしてない、とも言える。要するに肩肘張らない「諦観」か。
 てなわけで、似た(というか殆ど同じ)境遇にある自分としては、共感するところが多かった。
「あと10年も経ったら、そのときにはもっと経験に即した『老後のリアル』を書けるかも知れない。」
とあとがきに書いている。そのときにはまた読んで見たい気がする。あまり変りないだろーな、と思いつつ。
タグ:老後
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