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24時間式時計の文字盤 [サイエンス]

 唐突な話だが、24時間制文字盤の時計を昔から欲しいと思っている。1日で地球が一回転するのだから、その方が本来的ではないか?なんで忙しく2回転もするんだろう?と。
 だが、あまり売っていない。たまにあると思えば高価で購買欲が萎える。

 ところで、そういう機種の場合、例外なく真夜中に短針が真上に来る文字配置になっているのだが、私はこのデザインが気に入らない。
 そもそも時計の文字盤は日時計のそれに由来している。針の動きが「時計回り(右)」なのは、日時計の(北半球における)影の動きに倣ったものだろう。とすれば、正午に〈真上〉(12の位置)に針が来るのが正解である(勿論12時間式の通常の時計はそうなっている)訳だが、普通の24時間式時計の場合、正午には短針が真下の6時の場所に来てしまうようになっているのだ。これは全く不合理だ。
 24時間稼働する日時計は現実には存在しないが、仮想的シミュレーションは出来る。
 つまり、夜の場合は〈地球が透明〉と仮定して、地球の裏側に太陽があるときにも文字盤上に影を落とす、とするのだ。(正確には文字盤の裏側に、下に伸ばした棒の影が落ちるのだが。)
 真夜中に、その影は普通の文字盤では真下の6時の位置(の裏側)に落ちることになる。そういう太陽と影の動きに忠実な形の24時間文字盤の時計が本来のあり方ではないだろうか、と思うのだ。
 で、そんな時計、どこにも見あたらないのであった。
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duznamak

 いろんなことを考えるキッカケになりました。面白かったです。

 世の中には「歴史を知っていないと訳が分からんもの」が沢山ありますが、時計のあり方(というか、時間の数え方)って、その最たる例ですね。なぜ、1日が24時間なのか。そして、なぜそれを12時間ずつに区切って数えるのか。なぜ、1時間は60分なのか・・・・・・。
 あるいは、なぜ、クリスマスのお祝いを25日ではなく24日にやるのか。なぜ、正午noonは「9時(nine)」から派生したのか。また、以前の「名数+月」の話題に関連して、なぜ、9月がSeptemberなのか、などなど。

 それにしても、明らかに不便であるにもかかわらず、いまだに12時間制が利用されているのだから、慣習というのは恐ろしいものです。

 ところで、24時間時計は、文字盤が美しくないように思います。60が24の倍数でないのがうらめしい。


> 24時間稼働する日時計は現実には存在しない

 ヒント:白夜


> 太陽と影の動きに忠実な形の24時間文字盤の時計が本来のあり方

 「アナログ時計と太陽の位置から方角を知る方法」が12時間時計の場合より簡便になりますね。
 これに関連するのですが、僕にとっては、やはり「12時=南」という印象が強いです。そんな訳で、askさんとは逆に、12時は下にあった方が違和感が無いです。・・・・・・って、「南=下」っていうのも、慣習に引きずられた考えですね。慣習、恐るべし。
by duznamak (2010-01-17 22:26) 

ask

>24時間時計は、文字盤が美しくない
そう、分表示の刻みに悩んでいます。

>ヒント:白夜
あっ、そうか。迂闊だった。
ところで、「はるか国後に白夜は明ける」って歌の文句は意味不明ですよね。開けるも何も最初っから明けっ放しなのが白夜じゃないの?

>「南=下」っていうのも、慣習
ま、斜面を考えた場合、日当たりのいい南斜面の方が表で、北斜面は裏、とどうしてもなっちゃうので、「南」=下、になったのかなぁ、と。
by ask (2010-01-17 22:41) 

duznamak

> 白夜は明ける

 たぶん、その日から白夜なんですよ。長い長い昼の始まり。・・・・・・ん、「白夜」をあくまで「夜」として捉えると、「白夜は明ける」は、むしろ白夜の終わりなのかしらん。よく分からん。


> 「南」=下

 そういや、前近代のアラブ=ペルシア文化圏の地図は、南が上だったりします。分かりやすい画像はないかと探してみたところ、下のようなものが見つかりました。

http://www.muslimheritage.com/uploads/world_map_by_Ibn_Hawqal.JPG

そんなわけで、これらの地図が世界史の資料集なんかに載せられる場合、たいてい上下逆になってるんですね。やっぱ、北が上の方が見やすいですから。当然、書かれた文字も逆転してしまうのですが、誰もアラビア文字なんて読めないから気にしない、と。
by duznamak (2010-01-17 23:48) 

ask

〈南が上〉の地図は場合によってはその方が自然なこともありますね。
 実際にあるかどうかは知りませんが、六甲山の展望台から眼下の神戸の街並みを案内する地図、なんてのは手前(下)が山の手、その先に下町、港、海…と続くようになってる方が「見たまんま」でわかりやすいでしょう。
 そういう類の「案内図」では南北逆転とか「北が左」とかはごく普通にあるわけで。要するに見る者の視点が重要なわけで。
by ask (2010-01-18 09:56) 

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