SSブログ

「原寸」という言葉の使い方 [言葉]

 私はいわゆる「ガンダム世代」ではない(あえて言えば、鉄腕アトム&エイトマン世代か)ので、取り立てて興味はない(∵ただのハリボテに興味ありません)のだが、このニュース
を見て、気になったことがある。
 この中の「原寸大」という言葉である。なんか揚げ足取りみたいになってしまうが、ちょっとおかしかないか?と思ったのだ。
 辞書(新明解)によれば、「原寸」とは「現物の寸法」とある。随分あっさりとした説明だが、意味ははっきりしている。同じような「実寸大」もやはり実物のサイズという意味なので言い換えても同じ。
 ところで、ガンダムの〈現物〉または〈実物〉とはどこにあるのか? 勿論そんなものはどこにも無い。あるのはアニメ設定資料の中にデザイン画などとともに書いてあるサイズの数値だけだろう。つまり架空のものだ。だから、そういうものの模型の場合、これは「想定大」と言うのが正しいのである。
 ……なんて言っても、まぁ屁理屈ですね。
タグ:使い方
nice!(3)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 3

コメント 6

michaela

私もあの「原寸大」という言い方、なんだかなぁ~と思ってました。
by michaela (2009-06-12 08:36) 

duznamak

 確かに、“原”という字が使われていると、元となった“何か”が実在している(あるいは、していた)印象を与えかねない、というのは、askさんのおっしゃる通りだと思います。そういった点で、「原寸大」というのは、やや不用意な表現かもしれません。同義の模型用語である「等身大」「1/1スケール」を使用した方が好ましかった、と言えそうです。

 ですが、模型用語としては、「原寸大」でも、おかしくはないのだと思います。なぜなら、「原寸大」という用語は、「縮尺(スケール)が元と同じ(1/1)である」という意味に解釈されるからです。例えば、設計段階の飛行機の木型に対して、「原寸大」という表現が使われることがあります。飛行機の「現物」がいまだ存在しないにもかかわらず、それが永遠に存在しないかもしれないにもかからわず、それの「原寸大模型」は存在しうるのです。

 あえて理屈付けるならば、「原寸大」は「“元”の寸法と同じ寸法」という意味ではなく、「“元の寸法”と同じ寸法」という意味である、となりましょう。ガンダムの「元の寸法」は設定書・設定画の中に明白に実在しているので、「原寸大」という表現もおかしいものではない、と言えるのではないでしょうか。

 (どうでも良いですが、冒頭の文言は「ただの~~」ではなく、「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」にして欲しかったです)
by duznamak (2009-06-13 01:18) 

ask

duznamakさん、非常に明解に説明いただき有り難うございます。おっしゃる通りだと思います。
 負け惜しみじゃありませんが、実は昨日、図書館へ行く道すがら考えてまして、「新車の設計段階で完成品と同サイズの〈モックアップ〉を作ったりしてるなぁ、あれは『原寸大』と言ってたような気がするぞ。とすると…」と漠然と思ったりしてたのですよ。整理してくれて助かりました。
 ところで、人形(ひとがた)の模型において「等身大」とはどういうサイズなんでしょう? 秋葉の店頭で1.8mくらいのガンダムのフィギュアを見たことがあり、つい「お〜、等身大ガンダムだ」と思ったんですが、「1/10スケールのガンダムだ」と言うのが正確だったのかな?

>「あんなの飾りです。偉い人にはそれが分からんのです」
すみません。これの出典わからないです。
by ask (2009-06-13 09:19) 

duznamak

 実は僕も当初、「“原寸大”という表現に違和感を覚えない」理由が分からなかったのです。この言葉を深く考える、良いきっかけになりました。

>秋葉の店頭で1.8mくらいのガンダムのフィギュアを見たことがあり、つい「お〜、等身大ガンダムだ」と思ったんですが、「1/10スケールのガンダムだ」と言うのが正確だったのかな?

 たぶん、どっちも正解なんだと思います。「等身大」には、「人間とほぼ同サイズ」という意味と、「元の寸法と同サイズ」という2つの意味があるのだと。ただ、askさんも使っている前者の「等身大」の方が、より原義に近い、より日常的な用法だとは言えそうです。
 そうなると、「“等身大”ガンダム」という表現もまた、誤解を生みかねない、曖昧な表現と言えそうですね。残るは「1/1 ガンダム」ですが、この表現は、一般性が無さ過ぎる気もするし・・・・・・難しいですね。

>出典

 『機動戦士ガンダム』第42話における、名も無き技術兵のセリフです。最新鋭のモビルスーツが、脚のついていない、未完成の状態で前線に送られてくる。しかし、技術兵は、この状態でも100%の性能を発揮できる、と搭乗予定のパイロットに説明する。それに対して、パイロットが「足がついていない」と指摘すると、上述のセリフが語られるのです
 そこそこ有名なセリフで、よくパロられます。また、「脚なんて飾りです。~~」という不正確な形で引用されることも多いです。
by duznamak (2009-06-13 15:54) 

peco

言葉の使い方以前に、何でもかんでも実際に作り上げようとするその根性が嫌いです。
アニメを実写化するのも嫌いです。
その内、ドラえもんまで実写化されるんじゃないかと冷や冷やしてます。
by peco (2009-06-14 21:08) 

ask

あれま、スーパーモデル並み美脚のpecoさんではありませんか! こんなむさ苦しいブログへお越しいただきまして、どうも。

 それにしても、3D(リアル)がそんなにお嫌いとは! 一体どうしてでしょうか? 動物園のカピバラなんかは別ですか?

>ドラえもんまで実写化
 いや、キャスト次第ではないですか?
konishiki とか芋洗い坂係長あたりのドラエモンなら見て見たいような…ないか。
by ask (2009-06-14 23:51) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。