「地図男」(真藤 順丈) [ファンタジー/ホラー/ミステリ]
第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。(って、こんな賞があるの知らなかったけど。)店頭で見つけて衝動買い。同時期に別の作品で「日本ホラー小説大賞」「ポプラ社小説大賞」と新人賞総なめの快挙を達成したらしい。
中編とでも言うべき長さの作品なのですぐに読み終わった。速度のある文体っていうせいもある。
そう、文体に勢いがある、と言うかスピード感がある、「疾走」型の文体なのだ。思い出したのは古川日出男の文体だ。あのエネルギーに似ている。設定の奇抜さ、展開のスリリングさも。
大判の関東地域地図帖を抱えた奇妙なホームレスが、その地図の余白や付箋に夥しく書き込んだ土地ごとの物語。というあり得ない設定。つまりはファンタジーなのだが、個々のその物語の中味(3作だけしか紹介されないのだが)それぞれのインパクトがなかなか凄い。
●千葉県北部を家出して旅する音楽の天才の幼児
●都23区の区章を取り合う秘められた激闘
●奥多摩山中で巡り合う多動性障害の少年少女の純愛の過酷な運命
と1行で要約してしまうとディテールの迫力が伝わらないので、一読をお勧めする。
しかけはさらに複雑で、こういう創作活動を行うホームレスの動機の謎の解明にまで至る、その過程がまた重層構造をなして面白い。
中編とでも言うべき長さの作品なのですぐに読み終わった。速度のある文体っていうせいもある。
そう、文体に勢いがある、と言うかスピード感がある、「疾走」型の文体なのだ。思い出したのは古川日出男の文体だ。あのエネルギーに似ている。設定の奇抜さ、展開のスリリングさも。
大判の関東地域地図帖を抱えた奇妙なホームレスが、その地図の余白や付箋に夥しく書き込んだ土地ごとの物語。というあり得ない設定。つまりはファンタジーなのだが、個々のその物語の中味(3作だけしか紹介されないのだが)それぞれのインパクトがなかなか凄い。
●千葉県北部を家出して旅する音楽の天才の幼児
●都23区の区章を取り合う秘められた激闘
●奥多摩山中で巡り合う多動性障害の少年少女の純愛の過酷な運命
と1行で要約してしまうとディテールの迫力が伝わらないので、一読をお勧めする。
しかけはさらに複雑で、こういう創作活動を行うホームレスの動機の謎の解明にまで至る、その過程がまた重層構造をなして面白い。
タグ:ホラー
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