SSブログ

第二水準漢字と私(その2) [言葉]

さて、続きを行きます。
大昔のアスキーネットのログはフロッピーの山の中に埋もれていて、発掘するのに手間取りました。
以下にコピペするログは当時のままの形で、56KBもあります。既に「その1」で書いたことと若干重複しますが、原文のまま載せます。
(ソネブロってこんなに長い文書でも掲載出来るのかなぁ?)
本筋に関係のない他の人たちからのコメントは削除しました。Article#がとびとびなのはそのためです。
全行に引用符">"を付けるのは煩雑なので省略します。
ちなみに、以下のログは〈ヘンな位置〉でやたらと改行が挿入されている、例の「わかとらん」形式ですが、当時のパソコンは殆ど全てが98であり、1行は全角40文字が「絶対的」な「ふつー」だったので、こういうことになってるのであります。はい。


//////////////////////////////////////////////////////////////
Note 30 Words (sig.n47)
[ BASENOTE with 2Res ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 1:55am 3/30/89 Author: pcs13565 (ask)

 「askの異常な愛情」

または、いかにして私は「第2水準のask」となったか


[ RESPONSE: 1 of 2 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 1:55am 3/30/89 From: pcs13565 (ask)
《口上》

 え〜、一体なにごとかと訝(イブカ)る方も多いでしょうが、御用とお急ぎでない
方は、ちょっとおつき合い下さい。

 今更、という感はありますが、知らない人も結構居そうなので、あえてこの、
モロに【自己顕示欲の現れ】みたいなノートを開かせていただきます。

 さて、poolに“rask.com”というPDSがあります。PDSの巨星 serow
氏の作品、98の画面に表示されるJIS第2水準漢字(及び「98漢字」)に
任意の色を付ける常駐ソフトで(「だからどうしたと言われればそれまでである
が」(c)serow)、愛用者はかなり居るようです。ちなみに、

POOL msdos dir
No. File Name Type Author YY/MM/DD Bytes Access Kind
----- ------------------------ - -------- -------- ------- ----- --------
976 rask.ish T pcs19614 88/11/19 14311 311 UTL
Desc: pc9801: Resident ASK

 このネーミングに使われている“ask”は実は光栄にも私のハンドルネーム
なのです。
 でも、初めて見る人には、なんでそんな個人のハンドル名を冠しているのか、
ハッキリした説明もないので、唐突と言うか、理由がわからないだろうと思います。

 というのも、これには話せば長い背景がありまして、アスキーネットの実験時代
のかなり初期からの私のネット内行動をつぶさに知っている人でないと意味が
わからないだろう、と。

 で、最近加入した人(と言っても、ここに2年以上長く居る人以外、という程
だから、かなりの割合になると思う)のために、やや増長気味か?とは思いまし
たが、私とパソコン通信との関わり方を、特に「言葉sig」に関連する側面か
ら回想しつつ説明させて頂き、皆さんに知って貰いたいと思う所存でありますの
で、よろしかったらおつき合い下さい。

 勿論ただの自慢話で自己満足するだけで終わらせるだけでなく、今はもう無い
昔のArticleを再録することで、もしかしたら役に立つ人がまだ居るかも
知れないという気持ちもあるのです(と、正当化する)。

pcs13565:ask


[ RESPONSE: 7 of 8 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:40am 4/ 1/89 From: pcs13565 (ask)
《それでも、第3夜になると……》

 すこしだけ早く帰ったので、続きを書くと致しましょう。

 まず、私とパソコンとのつき合いは、PC−8001が出た直後に、早速それを
購入した事で始まったのですが、当時はパソコンで漢字を扱う事など出来ず、
専ら雑誌掲載のゲームなどをひたすら打ち込んだり(STARTREK,表参道
アドベンチャー,GAME−PC……の時代。)BASICでプログラミングを
ちょこちょこやってるだけでした。

 やがて、PC−9801(初代)にグレードアップ。これでついに自分のマシン上
で漢字が表示出来るようになったのです。なんという感激だったことでしょう!
(おおっ、この解像度!この字の細かさ!ってなもんで)

 ところが、表示は出来るが、入力は16進コードしかない!という貧弱な環境。
文節どころか、単漢字ですらない、なんとも原始的なシステムであったのですが、
それでも漢字を表示出来るだけで嬉しくて、コード表と首っ引きで入力したもの
です。

 そうこうするうちに、98用のワープロソフトがいくつか出たので、「漢神」
というのを買いました(宣伝文句に騙された)。ところが、これがとんでもなく
タコなソフトで、スピードは遅いは、変換は馬鹿だは、どーしょうもないもので
した。(フォーマット変更して40文字の文書を35文字にすると右端の5文字
は次の行へ行かず、きれいさっぱり消えてしまうとか、ランダムファイルなので
文書フロッピーがすぐいっばいになるとか、笑えましたねぇ)

 ブーブー言いながらも使っていましたが、ちょっと役に立った事と言えば、オー
ルBASICで書かれていた(!)ため、下記のような改造が可能だったことで
す。

1.DEF SEG=&h****(ワスレタ) POKE &h****,** でUNLISTを解除する。
2.ON STOP 文を削除して、STOPキーで止まるようにする。
3.この改造版を起動して、自作のBASICプログラム中でのPRINT文で
  使いたい文章(「番号を選んで下さい。」とか)を入力する。
4.画面一杯に入力したら、STOPキーを押してワープロを強制終了
  する。(BASICのコマンドモードに戻る)
5.画面にはそのまま文章が残っているので、NEWを実行後、カーソ
  ルを移動し、行番号とPRINT"を挿入してRETURNキーを押す。
6.これで目的の文章をBASICでPRINT出来ることになる。

などというヲタクなことをやってたりしたのでした。

(続く)

[ RESPONSE: 9 of 9 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:09am 4/ 3/89 From: pcs13565 (ask)
《第4夜は酔っぱらったのでサボってしまった》

《さて、第5夜ともなると》

 いつになったら2水(JIS第2水準のこと、以下同様。Sorry! >void)の話が
出るのかと不審の念を持たれた方もいるかもしれません。どーも話がなかなか
進まない。

 さて、98に変えてから1年くらいは全くの孤立ユーザーだったので、いろい
ろ情報不足でもあり、「ネクラ」の極致を行ってたわけですね。

 しかし、職場にも仲間が徐々に増えてきて、やがて「マイコン研究会」などと
いうものを作ったりしたのです(ヲタクな名称だなぁ)。ところが、そこに集まっ
た仲間のマシンと来たら、当時の最新機種9801F2が大半なのでした。私は
旧98にPC80S31という5インチ2Dのドライブを繋げて使っていたので、
データ交換などが出来ない状態に陥り、疎外感を味わわされることになりました。
(現在も2DD<2HDという、ワンランク上で同じ状態ですが……ハードディ
スクがあるので我慢してます)

 で、辛抱たまらなくなったのでFに買い換えたわけです。2DD(640KB)
のメモリ空間はなんと広々としていたことか。
 その頃になると、98用のワープロソフトもマトモなものが多くなり、十分実
用に耐えるものが現れてきました。そして、私のワープロ三昧が始まったのです。

 主に日記的なものとか、本を読んだ感想文、身辺雑記などを毎晩入力しまくっ
ておりました。やたらと旧友に手紙を出したりしてたのもこの頃です。あと、雑
誌への投稿とか。(この頃書き貯めておいた文書ファイルは、その後アスキーネッ
トに加入した時にアップロードする手持ち資産として活用することが出来ました)

 さて、そうやってワープロ三昧してたのはいいのですが、辞書に入ってない熟
語が結構多いわけですね。旧98で「漢神」を使っていた頃から感じていたので
すが、単漢字でもコード入力でも出せない漢字がいっぱいある。
 これは何だ?と思ったら、まさにそれは第2水準だったのです。「え〜〜っ!
なんでこんなよく使う字が入ってないのぉ!」と思うこと再三。

 旧98には2水ROMは無かったので、諦めていましたが、Fを買う時には当
然一緒に2水ROMも買いました。オプションながら2水が使える、ということ
がFの魅力の一つでもあったのです。ところが、F仲間達はROMを買わないの
ですな、これが。「どして入れないの?」と聞くと、「2水なんて使わないよ」
などと言って、2水ROMをいそいそ入れて喜んでいる私をなにか異様な変人か
のような目で見るわけです。(まぁ、彼等は土木とか電気の技術屋さんが多かっ
たのだけれど……)

 ま、それはいいとして、2水でパワーアップした私はいよいよ、それまで使え
なくて涙を飲みつつ書き付けていた「いつかは登録してやるぞ熟語メモ」を取り
出して、早速登録作業に邁進したのであります。

(続く)


[ RESPONSE: 12 of 12 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 2:11am 4/ 4/89 From: pcs13565 (ask)
《それはともかく、第6夜になると》

 2水熟語の登録作業は集中的には約3週間くらいの間でした。
 例の「いつかは登録してやるぞ」メモだけではそれほどの件数は無いので、え〜
い、この際だ、もっと沢山入れてやれ、と今度は2水探しが始まったのです。
(やっぱり異常だな)

 まず、コード表の2水一覧をはじからじーっと凝視する。
 すると、見覚えのある漢字が眼に付く。
 おっ、こりゃあの字だな、よーし、登録!というわけです。
 それと、こんな場面に格好の辞典を見つけました。

「難解・難読/蘊蓄字典」(小学館・1983・¥980)
ISBN4-09-394071-1

これは実にこの時の私にピッタリの本でした。難しい読みの漢字・熟語・古語・
学術語・隠語・風俗語などが2万5千語収録してあるのです。(読みと綴りだけ
で殆ど意味は載っていない)
 今度はこれをじーっと眺め回し、おっ!これは入れとこう、という思ったもの
にマークを付けて、登録作業を続行したのです。(もっとも際限が無いので、途
中でやめましたけれど)

 さて、その頃は今使っている三省堂の「ワープロ漢字辞典」のような音訓や画
数・部首などいろんな角度から引けるコード表がなかったので、入力作業は非常
に面倒でした。2水のコード表は部首で分れているだけでギッシリつまって印刷
されており、字を探すのが一苦労。
 そこでいくらかなりとも効率化を図るために、私は次のような道具を作ったの
です。

(続く)


[ RESPONSE: 13 of 13 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 1:23am 4/ 5/89 From: pcs13565 (ask)
《続いて第7夜になると》

 いや、道具と言うほど大げさなものではありません(期待した人ごめんなさい)。

 2水コード表は何頁にも渡っているので、部首で引くにもかなり頁を繰って探
さなければならない、のが面倒くさい。なんとか一覧できないものか?と思った
わけです。そこで、

1.コード表をPPCコピーする。
2.左側の部首表示の部分だけが見えるようにずらして重ねて綴じる。
  (フートー貼りの内職をやった人ならすぐわかるだろう。フルイナー)
3.これで目的の部首のパートにランダムアクセス出来る。そこをめくっ
  て、中味を見るわけです。

こんだけです。な〜んだ、と思われたでしょう。でも結構能率は上りましたよ。

 さて、そうやってせっせと入力して行ったのですが、当然そのための登録用文
書に書き加えていくという形式を採りました。自分の登録した言葉の記録も保存
しておきたかったからです。

 で、出来上がったものを職場の同僚たちに見せて「どれだけ読めるぅ?」とか
言って、感心されたり呆れられたりしてたわけですな。(これ以前から自分の書
いた文章を人に読ませたがる傾向はあった)

 余談ですが、この作業が終わった頃、雑誌「BugNEWS」に古瀬幸広氏の
「ワープロ漢字採集記」の連載が始まりました。これは「我が意を得たり」の企
画でしたね。(あの「コンピュータ文化情報誌」がなくなったのは悲しい。ああ
いう雑誌のニーズは増えこそすれ減ってないと思うんだけどなぁ)
 そこで編集部気付けで、件の登録一覧文書を送り、「いい企画です。頑張って
ください」とファンレターを書いたら、当人に転送されて礼状が来ました。

「あんなかわった企画は受け入れられないかと心配でしたが、
 あなたのように支持してくれる方が居て嬉しいです」

というような文面でした。
 まぁ、古瀬氏の出したものの内かなりのものは既に登録してしまっていたので
すが……。 (古瀬氏はNIFTY−ServeでSYSOPとして活躍してる
らしいですね。どんなことをやってるか知ってる人居ませんか?なんか雑誌も出
してたな)

 さて、そうこうする内に、ついにパソコン通信を始めるという、わが人生上の
一大ターニング・ポイントを迎えることにあいなるわけであります。

(続く)

[ RESPONSE: 15 of 17 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:00am 4/ 7/89 From: pcs13565 (ask)
《いよいよ第9夜になると》

 アスキーの実験システムが始まったのが1985年4月(5月だっけ?)。
私が加入したのは8月でした。

 高田正純氏の「データベースを使いこなす」(三省堂新書)を読んで、こりゃー
面白そうだ、と思ったのと、大学時代の友人から通信やろうよ、と誘われたのが
きっかけです。(彼は仙台でSHALOMというBBSをやっています)

 最初は通信というのはどんなもんかいなぁ、と恐る恐るでしたが、活性化する
のにあまり時間はかかりませんでしたね。折りよくSFsigという格好の参加
ポードが出来たので、前にも書いたように、以前書いておいた本の感想文から適
当に見繕ってUPLOADなどを繰り返してたわけです。(電子化されているこ
とのメリットというのは通信によってより拡大するというのがわかりましたね)

 さて、同様に例の2水熟語リストを自分のフロッピーの中に眠らせて置く手は
ない。皆に見せてウケを狙ってやろう、というわけでbb.etc.generalというボー
ドに載せてみたのが9月頃。しかし、反響はありませんでした。(でも後で友人
スミスさんから聞いたところによると「パソコン通信にはこんな使い方もあるの
か」と印象深かったとか。)

 その後、1986年の4月に掲示板の大拡充が行われ、bb.tech.wp というワー
ドプロセッサーについての話題を交換するボードが出来たので、再度掲載しまし
た。
 今度はさすがに反響はありましたね。その時のファイルを次のResでお見せ
します。
(ログったのがどこかに無くなってしまったのでヘッダー部分がないのですが)


[ RESPONSE: 16 of 17 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:04am 4/ 7/89 From: pcs13565 (ask)
---------------------
Newsgroup bb.tech.wp
---------------------

 はじめまして、このボードに書くのは(当然)初めてのasc13565:askと申し
ます。

 さて、最近は98VMや88MRなどJIS第二水準漢字ROMを搭載している
機種も増えて来たようですし、ワープロソフトにも第二水準熟語登録済みとうたっ
たものも出て来てはおりますが、あまり数は多くないようですし、全然登録されて
いないものも多いでしょう。
 我々が日常使う言葉の中にも第二水準を含む熟語というものは結構多いのですが、
これがあまりワープロの辞書には登録されてない状況ではないか、と思われます。
 で、私が数十時間をかけて自分のワープロ辞書に登録して来た熟語をここに一挙
公開いたしますので、これをダウンロードして、お手持ちのワープロソフトの文書
ファイルの形にコンバートした上で、必要と思われるものを辞書登録して下さい。
こうすればいちいちあの目がチカチカするコード表とにらめっこして入力する手間
が省けるわけですね。
 実はこれは既に昨年9月に旧ボードに載せたものなのですが、最近チャットで出
会った人が、漢字が好きというのにその存在を知らなかったので、まあ、新しい人
も多いことだし、この格好のボードが出来たのを機会に敢て再掲出する次第です。
 それにしても、第二水準の言葉っていうのは、なんかこうエゲツないのが多いで
すねえ!(それとも私の発想がそうなのかな?)

 ★★別の利用法
   (1)漢字読み取りテスト
   (2)自分のワープロソフトの辞書の充実度のチェック
   等にも使えます。

--------------------------------------------------------------------------
 という説明の下、2水熟語をズラズラとならべて、UPLOADしたわけです。

 で、その内容ですが、「読み」は付けていませんでした。そのため8月に次の
ような補足Articleを書くことになったのです。こちらを見れば最初の内
容はわかるので、それを全文再掲載することにしましょう。


Article 123 of 123, 8 Aug 86 00:31:48 JST
Subject: JIS ダイ2スイジュン ジュクゴ <カイトウ ヘン> (In Kanji)
Path: asc13565
Newsgroups: bb.tech.wp
(134 lines)

 お久しぶりのaskです。
 皆さん、元気にワープロしてますか?!
 さて、私がこのボードの#4にポストした第2水準漢字熟語ですが、結構皆様の
お役に立っているようで、ポストした甲斐があったと嬉しく思ってます。
 ところが、迂濶なことに最近ある人から言われて気がついたのですが、あれはな
かなか読めない漢字が多くて困るというのです。
 私としては、使おうとする(つまり辞書登録する)熟語は、当然書けはしなくて
も、読むことは出来るだろうという前提で、逆に言えば読めないような言葉はそも
そも使う事も無いだろうから関係ないだろうと、読みがなを付けなかった(ツケルノガ
メンドウ ダッタ ト イウ メン モ アリマス ケドネ)わけですが、実際はそうでもないんですねぇ。
 つまり良く使う言葉であっても、いざ漢字で出て来ると読めないようなのが結構
あるのだ、という訳です。(顰蹙なんてのはネット上でも良く使われるヨネ?)
 そこで、再び、今度は読みがなを付けてポストしますので、今まで読めなかった
やつでも、「ああ、これはそういう字かぁ!じゃ、登録しとこっと」ってなのがあ
れば使って見て下さい。
    (但し、意味まではさすがに勘弁してもらいたいです。
     読みがわかれば国語辞典でわかりますもんね?)

 では……
====================================================
【2文字熟語】
駱駝(ラクダ)、騾馬(ラバ)、驢馬(ロバ)、羚羊(カモシカ)、麒麟(キリン)、麝香(ジャコウ)
猖猩(ショウジョウ)、狒狒(ヒヒ)、鳳凰(ホウオウ)、鸚鵡(オウム)、泥鰌(ドジョウ)、鮟鱇(アンコウ)、
蝙蝠(コウモリ)、蟷螂(カマキリ)、蜻蛉(トンボ)、蜉蝣(カゲロウ)、蜥蜴(トカゲ)、蜘蛛(クモ)、
浅蜊(アサリ)、壁蝨(ダニ)、蚯蚓(ミミズ)、蛆虫(ウジムシ)、蛔虫(カイチュウ)、蟯虫(ギョウチュウ)、
王蟲(オウム)、黴菌(バイキン)、燻製(クンセイ)、胡椒(コショウ)、餃子(ギョウザ)、拉麺(ラーメン)、
羊羹(ヨウカン)、饅頭(マンジュウ)、珈琲(コーヒー)、味醂(ミリン)、明礬(ミョウバン)、熱燗(アツカン)、
朝餉(アサゲ)、団欒(ダンタン)、生姜(ショウガ)、蒟蒻(コンニャク)、麺麭(パン)、飯盒(ハンゴウ)、
炊爨(スイサン)、檸檬(レモン)、石榴(ザクロ)、薔薇(バラ)、棕櫚(シュロ)、椰子(ヤシ)、
躑躅(ツツジ)、罌粟(ケシ)、芍薬(シャクヤク)、花蘂(カズイ)、胚芽(ハイガ)、胚胎(ハイタイ)、
鼈甲(キッコウ)、顆粒(カリュウ)、琥珀(コハク)、翡翠(ヒスイ)、翠玉(スイギョク)、瑪瑙(メノウ)、
真鍮(シンチュウ)、琺瑯(ホウロウ)、砂礫(サレキ)、瓦礫(ガレキ)、硅素(ケイソ)、砒素(ヒソ)、
瀝青(レキセイ)、隕石(インセキ)、彗星(スイセイ)、煌星(キラボシ)、矮星(ワイセイ)、飢饉(キキン)、
涸渇(コカツ)、旱天(カンテン)、旱魃(カンバツ)、潅漑(カンガイ)、清洌(セイレツ)、馥郁(フクイク)、
瀑布(バクフ)、豊穰(ホウジョウ)、豊饒(ホウジョウ)、沛然(ハイゼン)、驟雨(シュウウ)、霖雨(リンウ)、
啓蟄(ケイチツ)、泥濘(デイネイ)、絨緞(ジュウタン)、絨毯(ジュウタン)、緞帳(ドンチョウ)、炬燵(コタツ)、
襤褸(ボロ)、襦袢(ジュバン)、襯衣(シャツ)、甲冑(カッチュウ)、喇叭(ラッパ)、銅鑼(ドラ)、
坩堝(ルツボ)、匕首(アイクチ)、鶴嘴(ツルハシ)、棍棒(コンボウ)、薬莢(ヤッキョウ)、骰子(サイコロ)、
便箋(ビンセン)、附箋(フセン)、拇印(ボイン)、熨斗(ノシ)、象嵌(ゾウガン)、筐体(キョウタイ)、
装幀(ソウテイ)、轆轤(ロクロ)、篳篥(ヒチリキ)、箏曲(ソウキョク)、賽銭(サイセン)、鞦韆(ブランコ)、
味蕾(ミライ)、臀部(デンブ)、膀胱(ボウコウ)、脾臓(ヒゾウ)、膵臓(スイゾウ)、肺腑(ハイフ)、
肛門(コウモン)、睾丸(コウガン)、乳暈(ニュウウン)、毛脛(ケズネ)、耳朶(ミミタブ)、脳漿(ノウショウ)、
髑髏(ドクロ)、眼窩(ガンカ)、双眸(ソウボウ)、痙攣(ケイレン)、痛痒(ツウヨウ)、疼痛(トウツウ)、
麻痺(マヒ)、嘔吐(オウト)、吐瀉(トシャ)、咀嚼(ソシャク)、嚥下(エンカ)、排泄(ハイセツ)、放屁(ホウヒ)、
屎尿(シニョウ)、喀血(カッケツ)、動悸(ドウキ)、脈搏(ミャクハク)、壊疽(エソ)、糜爛(ビラン)、
傷痍(ショウイ)、疥癬(カイセン)、潰瘍(カイヨウ)、腫瘍(シュヨウ)、癲癇(テンカン)、癇癪(カンシャク)、
疱瘡(ホウソウ)、面皰(ニキビ)、瘢痕(ハンコン)、震顫(シンセン)、譫妄(センモウ)、 (アア、キモチガワルイ)
腋窩(エキカ)、腋臭(ワキガ)、産褥(サンジョク)、掻爬(ソウハ)、洗滌(センジョウ)、繃帯(ホウタイ)、
腑分(フワケ)、瘴気(ショウキ)、浣腸(カンチョウ)、膂力(リョリョク)、蹲踞(ソンキョ)、傴僂(セムシ)、
孵化(フカ)、膠原(コウゲン)、哺乳(ホニュウ)、華奢(キャシャ)、宿痾(シュクア)、膏肓(コウコウ)、
酩酊(メイテイ)、朦朧(モウロウ)、耄碌(モウロク)、蟄居(チッキョ)、斃死(ヘイシ)、荼毘(ダビ)、
涅槃(ネハン)、閻魔(エンマ)、汚穢(オワイ)、淫靡(インビ)、猥褻(ワイセツ)、別嬪(ベッピン)、
嫋嫋(ジョウジョウ)、嫋娜(ジョウダ)、媚態(ビタイ)、嬌声(キョウセイ)、蠱惑(コワク)、同衾(ドウキン)
交媾(コウコウ)、閨閥(ケイバツ)、恍愡(コウコツ)、瞽女(ゴゼ)、女衒(ゼゲン)、幇間(ホウカン)、
瀟洒・瀟灑(ショウシャ)、贅沢(ゼイタク)、奢侈(シャシ)、傲慢(ゴウマン)、倨傲(キョゴウ)、
僭越(センエツ)、僭称(センショウ)、睥睨(ヘイゲイ)、狷介(ケンカイ)、老獪(ロウカイ)、陋劣(ロウレツ)、
固陋(コロウ)、悪辣(アクラツ)、懶惰(ランダ)、狭隘(キョウアイ)、邪慳(ジャケン)、辛辣(シンラツ)、
忸怩(ジクジ)、反撥(ハンパツ)、憤懣(フンマン)、忿怒(フンヌ)、執拗(シツヨウ)、慙愧(ザンキ)、
亢奮(コウフン)、不逞(フテイ)、獰猛(ドウモウ)、貪欲(ドンヨク)、貪婪(ドンラン)、矮小(ワイショウ)、
迂闊(ウカツ)、吝嗇(リンショク)、怯懦(キョウダ)、狡猾(コウカツ)、驕慢(キョウマン)、顰蹙(ヒンシュク)、
辟易(ヘキエキ)、驚愕(キョウガク)、愕然(ガクゼン)、無聊(ブリョウ)、陰翳(インエイ)、陰鬱(インウツ)、
憂鬱(ユウウツ)、鬱憤(ウップン)、憮然(ブゼン)、寂寥(セキリョウ)、暗澹(アンタン)、惨憺(サンタン)、
悲愴(ヒソウ)、悄然(ショウゼン)、慷慨(コウガイ)、慟哭(ドウコク)、鬼哭(キコク)、啾啾(シュウシュウ)、
危惧(キグ)、杞憂(キユウ)、逡巡(シュンジュン)、躊躇(チュウチョ)、躁鬱(ソウウツ)、甦生(コウセイ)、
朴訥(ボクトツ)、恬淡(テンタン)、飄飄(ヒョウヒョウ)、真摯(シンシ)、敬虔(ケイケン)、無辜(ムコ)、
高邁(コウマイ)、精悍(セイカン)、辣腕(ラツワン)、闊達(カッタツ)、闊歩(カッポ)、雄渾(ユウコン)、
磊落(ライラク)、洒脱(シャダツ)、洒落(シャレ)、矍鑠(カクシャク)、明晰(メイセキ)、忌憚(キタン)、
颯爽(サッソウ)、諧謔(カイギャク)、怜悧(レイリ)、矜恃(キョウジ)、端倪(タンゲイ)、韜晦(トウカイ)、
厚諠(コウギ)、昵懇(ジッコン)、贔屓(ヒイキ)、憧憬(ドウケイ)、不憫(フビン)、憐憫・憐愍(レンビン)
懊悩(オウノウ)、呻吟(シンギン)、憔悴(ショウスイ)、改悛(カイシュン)、懺悔(ザンゲ)、贖罪(ショクザイ)、
誣告(ブコク)、呪詛(ジュソ)、憑依(ヒョウイ)、怪訝(ケゲン)、爼上(ソジョウ)、穿鑿(センサク)、
詭弁(キベン)、欺瞞(ギマン)、使嗾(シソウ)、陥穽(カンセイ)、捏造(ネツゾウ)、毀損(キソン)、
誹謗(ヒボウ)、罵詈(バリ)、讒謗(ザンボウ)、啖呵(タンカ)、叱咤(シッタ)、篦棒、恫喝(ドウカツ)、
瑕疵(カシ)、湮滅(インメツ)、烙印(ラクイン)、冤罪(エンザイ)、足枷(アシカセ)、擡頭(タイトウ)、
対蹠(タイショ)、拮抗(キッコウ)、桎梏(シッコク)、齟齬(ソゴ)、乖離(カイリ)、輻輳(フクソウ)、
軋轢(アツレキ)、幇助(ホウジョ)、烽火(ノロシ)、来冦(ライコウ)、遊弋(ユウヨク)、警邏(ケイラ)、
吶喊(トッカン)、戦慄(センリツ)、慄然(リツゼン)、熾烈(シレツ)、扼殺(ヤクサツ)、殲滅(センメツ)、
殺戮(サツリク)、蹂躙(ジュウリン)、狼藉(ロウゼキ)、打擲(チョウチャク)、炸裂(サクレツ)、俘慮(フリョ)、
檄文(ゲキブン)、紊乱(ビンラン)、蹶起(ケッキ)、闖入(チンニュウ)、奸臣(カンシン)、奸智(カンチ)、
生贄(イケニエ)、天誅(テンチュウ)、刎頚(フンケイ)、流謫(リュウタク)、一揆(イッキ)、匍匐(ホフク)、
膠着(コウチャク)、堡塁(ホルイ)、兵站(ヘイタン)、擱坐(カクザ)、拉致(ラチ)、咆哮(ホウコウ)、
波瀾(ハラン)、頽廃(タイハイ)、猖獗(ショウケツ)、瀰漫(ビマン)、跋扈(バッコ)、風靡(フウビ)、
繚乱(リョウラン)、絢爛(ケンラン)、爛熟(ランジュク)、爛漫(ランマン)、謳歌(ポウカ)、喧噪(ケンソウ)、
人籟(ジンライ)、静謐(セイヒツ)、瞑想(メイソウ)、語彙(ゴイ)、蘊蓄(ウンチク)、嗜好(シコウ)、
寸毫(スンゴウ)、畢竟(ヒッキョウ)、精緻(セイチ)、緻密(チミツ)、稠密(チュウミツ)、研鑽(ケンサン)、
披瀝(ヒレキ)、混淆(コンコウ)、傀儡(カイライ)、稟議(リンギ)、彌縫(ビホウ)、曖昧(アイマイ)、
覿面(テキメン)、刹那(セツナ)、蹉跌(サテツ)、眩暈(メマイ)、眩惑(ゲンワク)、瞠目(ドウモク)、
刮目(カツモク)、炯眼(ケイガン)、咄嗟(トッサ)、急遽(キュウキョ)、抛擲(ホウテキ)、邁進(マイシン)、
驀進(バクシン)、博奕(バクチ)、眷族(ケンゾク)、末裔(マツエイ)、訃報(フホウ)、巫女(ミコ)、
奴婢(ヌヒ)、邂逅(カイコウ)、僥倖(ギョウコウ)、綽名(アダナ)、収斂(シュウレン)、終焉(シュウエン)、
終熄(シュウソク)、撹拌(カクハン)、残滓(ザンシ)、濾過(ロカ)、濾紙(ロシ)、浚渫(シュンセツ)、
閘門(コウモン)、隧道(ズイドウ・トンネル)、轢死(レキシ)、剪定(センテイ)、掏摸(スリ)、馘首(カクシュ)、
馭者(ギョシャ)、俳諧(ハイカイ)、徘徊(ハイカイ)、彷徨(ホウコウ)、跫音(アシオト)、跛行(ハコウ)、
隘路(アイロ)、蝟集(イシュウ)、哄笑(コウショウ)、垂涎(スイゼン)、嚆矢(コウシ)、箴言(シンゲン)、
諷刺(フウシ)、揶揄(ヤユ)、比喩(ヒユ)、髣髴(ホウフツ)、一縷(イチル)、直截(チョクセツ)、婉曲(エンキョク)
希覯(キコウ)、推敲(スイコウ)、改竄(カイザン)、反芻(ハンスウ)、縷縷(ルル)、剽窃(ヒョウセツ)、
敷衍(フエン)、演繹(エンエキ)、範疇(ハンチュウ)、辻褄(ツジツマ)、斟酌(シンシャク)、忖度(ソンタク)、
瑣末(サマツ)、煩瑣(ハンサ)、膾炙(カイシャ)、識閾(シキイキ)、娑婆(シャバ)、頌春(ショウシュン)、
祭祀(サイシ)、垂迹(スイジャク)、開闢(カイビャク)、梵天(ボンテン)、黎明(レイメイ)、蒼穹(ソウキュウ)、
霹靂(ヘキレキ)、屹立(キツリツ)、翩翻(ヘンポン)、富嶽(フガク)、登攀(トウハン)、飛翔(ヒショウ)、
鳥瞰(チョウカン)、俯瞰(フカン)、曠野(コウヤ)、燎原(リョウゲン)、塵埃(ジンアイ)、渺渺(ビョウビョウ)、
茫茫(ボウボウ)、茫漠(コウバク)、光芒(コウボウ)、芒洋(ボウヨウ)、厖大(ボウダイ)、澎湃(ホウハイ)、
殷賑(インシン)、北溟(ホクメイ)、城址(ジョウシ)、辺鄙(ヘンピ)、島嶼(トウショ)、敦煌(トンコウ)、
匈奴(キョウド)、邯鄲(カンタン)、聚落(ジュラク)、讀売(ヨミウリ)、勁草(ケイソウ)、慶應(ケイオウ)、
成蹊(セイケイ)、渡邊(ワタナベ)、玄奘(ゲンジョウ)、親鸞(シンラン)、杳子(ヨウコ)、漱石(ソウセキ)、
歯痒(ハガユ)い、歯軋(ハギシ)り、

【3文字熟語】
超弩級(チョウドキュウ)、魏呉蜀(ギゴショク)、韋駄天(イダテン)、羞恥心(シュウチシン)、
蜃気楼(シンキロウ)、朧月夜(オボロヅキヨ)、信憑性(シンピョウセイ)、橋頭堡(キョウトウホ)、
手榴弾(シュリュウダン)、箝口令(カンコウレイ)、敵愾心(テキガイシン)、猜疑心(サイギシン)、
恣意的(シイテキ)、見做(ミナ)す、下剋上(ゲコクジョウ)、花崗岩(カコウガン)、鱗翅目(リンシモク)、
哺乳類(ホニュウルイ)、爬虫類(ハチュウルイ)、齧歯類(ゲッシルイ)、天麩羅(テンプラ)、依怙地(イコジ)、
天鵞絨(ビロウド)、籐椅子(トウイス)、茗荷谷(ミョウガダニ)、衒学的(ゲンガクテキ)、
躁鬱病(ソウウツビョウ)、扁桃腺(ヘントウセン)、蕁麻疹(ジンマシン)、処方箋(ショホウセン)
狎(ナ)れ狎(ナ)れし、北叟笑(ホクソエ)む、婀娜(アダ)っぽい、

【4文字成句など】
侃侃諤諤(カンカンガクガク)、喧喧囂囂(ケンケンゴウゴウ)、戦戦兢兢(センセンキョウキョウ)、
拳拳服膺(ケンケンフクヨウ)、切歯扼腕(セッシヤクワン)、隔靴掻痒(カクカソウヨウ)、一気呵成(イッキカセイ)、
慇懃無礼(インギンブレイ)、紆余曲折(ウヨキョクセツ)、画竜点睛(ガリョウテンセイ)、
尊皇攘夷(ソンノウジョウイ)、魑魅魍魎(チミモウリョウ)、流言蜚語(リュウゲンヒゴ)、
騫翁が馬(サイオウガウマ)、玉石混淆(ギョクセキコンコウ)、切磋琢磨(セッサタクマ)、輾転反側(テンテンハンソク)
満身創痍(マンシンソウイ)、八面六臂(ハチメンロッピ)、疲労困憊(ヒロウコンパイ)、乾坤一擲(ケンコンイッテキ)、
不撓不屈(フトウフクツ)、春風駘蕩(シュンプウタイトウ)、相俟(アイマ)って、阿諛追従(アユツイショウ)、
才気煥発(サイキカンパツ)、結跏趺坐(ケッカフザ)、意気沮喪(イキソソウ)、
天真爛漫(テンシンランマン)、曼珠沙華(マンジュシャゲ)、摩訶(マカ)不思議

(ヨミガナ ヲ フル サギョウチュウニ ヨメナイノガ 5コモ デテキタ。 ジブンデ トウロク シタノニ ナサケナイ!)
ヨミニハ マチガイガ アルカモ シレマセン ノデ ヨロシク (<---ダレカ サン ノ マネ !)。
ナニセ イソイデ アドリブ(?)デ ドンドン イレテイッタモノデ。
モシ マチガイガ アリマシタラ オシエテクダサイネ。


[ RESPONSE: 17 of 17 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:04am 4/ 7/89 From: pcs13565 (ask)

 というわけで、私がこのノートを開いた理由のひとつとして、上のデータを活
用出来る人がまだ居るかもしれないという思惑があったのでした。
 もっとも、最近のワープロの辞書はかなり2水関係も充実してきてるので、
(事実vje−βの辞書には最初から相当数のものが入っていた)今更の感はあ
りますが。

 ただ、ユーザーの大部分がパーソナルワープロユーザーからなるBBSという
ものに参加している友人に、このファイルを転載用に進呈したら、結構喜ばれた、
という話も聞いています。

 それと、ある業界人から聞いた話では、ワープロの開発者たちに、この私のA
rticleがかなりのインパクトを与えた、とか。そう言ゃVJEの辞書には
随分……?
 しかし、私にはなんの連絡もなかったけどなー。まぁ市場調査的データは供し
えたかもしれない、と。

 で、話はこれだけでは終わらないのであります。

(続く)

[ RESPONSE: 29 of 30 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 2:59am 4/ 9/89 From: pcs13565 (ask)
《さてさて第11夜になると》

 どうも、あれだけ「2水」ということを意識する体質を身に付けてしまうと、
Articleを書いていても、「あっこれは2水だったな」とか、ついつい反射的に
思ってしまったりしてました。
 そもそも1水と2水の区別なんて全く不合理なもの(基準がメチャクチャ)な
のに、そんな事に拘泥するなんてナンセンスだし、文章執筆上全く無意味な
撹乱要因なだけなんですが……(2水もこうなると「業」とでも呼ぶべきか?)。

 もっとも、パソコン通信で大勢の人に自分の文章を見て貰う場合は、ハード的
に読めない字があっては困る、という状況ですから、「人間2水ディテクター」
に近い状態にあった私の場合は、それを活かして2水の読めない人に対するフォ
ローとして「読みがな」を付ける、という作業が自発的に抵抗無く出来るという
ことでもありました。(当時はまだ2水の読める人の方が少なかったのではない
か?と。なにしろ、その頃でも「カナで書くべきだ」「いや漢字でいい」とかい
う議論が依然としてなされてた時代ですから。あ、これはつい最近までかな?)

 しかし、やはり、いちいち漢字変換するたびにそんな内部チェック処理サブルー
チンに跳んでたりしてては文章作成効率は落ちてしまいますし、人間ですから漏
れも出てしまいます。

 そこで、1986年11月、PDSのボードにこんなをリクエストすることにしたの
でした。
 ありゃっ、これもUPLOAD用の奴しか残ってなくてヘッダーがない。ま、
いいか。次のResに載せます。


[ RESPONSE: 30 of 30 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 3:02am 4/ 9/89 From: pcs13565 (ask)
-----------------------
Newsgroup bb.pds.salon
-----------------------
こんにちは、bb.life.goodearthのSigOpをしています、askです。

エーと、ここでPDSのリクエストしてもいいんですよね?

 で、突然お願いなのですが、〈第2水準のask〉の異名を取る私として、非常に
必要としているフィルターがあるのです。
 それは、MS−DOSの漢字テキストファイルのなかに含まれる第2水準漢字を判
別するためのフィルターです。

 御存知の方もいらっしゃるでしょうが、私は辞書にたくさん第2水準漢字を含む熟
語を登録してあるので、このネットにUPLOADする文書を書く場合にも、無意識
のうちにそれを使うことが多く、第2水準漢字ROMを持たない機種の所有者にはご
迷惑をおかけしている場合が結構ありそうなのです。入力時に気がついたものはその
場でよみがなをつけていますが、漏れもいっぱい出てしまいます。

 そこで、出来上がったテキストを入力し、その中にある第2水準漢字の直後に半角
の括弧「()」を挿入して別のファイルに出力する、というフィルターがあると助かる
のです。

たとえば、こういう文書があるとします。

「こんな贅沢な注文をすると顰蹙を買いそうで、躊躇、逡巡したのですが、
このネット内に蝟集する瞠目すべき緻密な頭脳の持主に、プログラミング能力
の無い不憫な私のためのご厚誼を頂きたく、一縷の望みを抱いております。」
(しかし、なんちゅう文だ!)

これを加工して、

「こんな贅沢()な注文をすると顰蹙()を買いそうで、躊躇()、逡()巡したのですが、
このネット内に蝟()集する瞠()目すべき緻()密な頭脳の持主に、プログラミング能力
の無い不憫()な私のためのご厚誼()を頂きたく、一縷()の望みを抱いております。」

というテキストを出力するようなフィルターが欲しいのです。

 あとは、こうしてテキスト中に付けられた括弧の中にエディタでよみがなを書き加
え、REFORMすればいいわけです。

 上の例では「顰蹙」や「躊躇」など2文字とも第2水準の熟語に括弧が一組しか挿
入されていませんが、これはつまり、第2水準漢字が複数連続して現れた場合には前
のは無視して最後の漢字の直後にだけ括弧を付けていただけると、より使いやすいと
いうことなのです。ま、これは無理にそうしなくても結構ですが。

 どうでしょうか?何卒、よろしくお願い致します。

                         asc13565:ask
----------------------------------------------------------------------------
と、こういうわけなんですが、ちなみに上の文例には間違いが1箇所ありました。

 さー、ここで問題です。どこがおかしいでしょう?(raskで見りゃー一発だな)

(続く)


[ RESPONSE: 31 of 31 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 11:44am 4/ 9/89 From: pcs09827 (FX-702P)

厚誼 < これは第1水準ですね。

常用漢字じゃないけど FX−702P


[ RESPONSE: 32 of 32 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 1:18am 4/10/89 From: pcs13565 (ask)
《続いて第12夜になると》

※Fxさん、それで正解です。あともうひとつ間違いはあって、加工後の
 「贅沢()」というのは「贅()沢」となってないとおかしいですね。

 さて、上のようにリクエストしたところ、たちまち何人もの人が作ってくれま
した。

 Zom−1さん、Daturaさん、Juneさん、Mr.さん、BIN坊さん。

と5人もの方が素早く、uploadしてくれたのです。それぞれ微妙に動きが
違っていて、個性というか、仕様についての考え方の違いも見ることが出来て、
とても面白かった。2水の後に漢字(1水)が続いていた場合は括弧はその字の
後に付けるべきではないか?という意見に基づいたものとか(これだと「贅沢()」
となります)。

 ともあれ、感激でした。そして思うに、あれほどの素早い多くの反応を得るこ
とができたのは、PDSリクエストの基本条件、つまり

1.どんなことがやりたいのか、仕様を具体的・明確に示すこと。

2.概して単純な仕事であること。

3.そのプログラムには個人的な必要性だけでなく、他の人にとっても
  使う意味がある、「汎用性」があること。

という事を満たしていたからではないか?と思います。あと、付け加えれば、こ
のプログラムは「利他的」な目的のためのものである、ということも言えるかも
しれません。(しかし、この最後の点は、serow氏が rask.com の doc で鋭く指
摘しているように、「いいことをしたという気分を味わう快感」や「自惚れ」の
要素も含んでいる、という点を間引いて評価すべきでしょうね)

(続く)

[ RESPONSE: 35 of 35 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 12:47am 4/13/89 From: pcs13565 (ask)
《第13夜は休養してしまった》
《第14夜はおさぼりしてしまった》
《というわけで第15夜になると》

 そろそろネタも尽きて来たわけですが、ついでに書いてしまおう。

 賢明な方は、「あーん? そんなのわざわざ特別にプログラムを作らなくても
sedでやれば一発じゃん?」と思ったのではないでしょうか?
 事実serowさんのsedのサンプル・スクリプトには“ask”というのがあって、

> s/¥([弌-龠][弌-龠]*¥)/¥1()/g

というのが入ってるし。ドキュメントの中にも

> 例:
> sed -e "s/¥([弌-龠]+¥)/¥1()/g" infile
>
> これはinfile中の第二水準漢字の並びの末尾に"()"を付け加
> えます。

と書いてあります。

そう、これだけで出来るわけで、まったく偉大なツールですよね、sedって。

 ところで、私は当時sedなんて知らなかったので、あんなリクエストをして
しまった訳なんですが、応えてくれた人も、sedでこうすればいいよ、という
のは全然無かったので、どういうことなのか、ちょっとわかんなくなっているん
ですよね。

 あの当時(1986年11月)は日本語版のsedはまだ無かったのかどうか
がわからない。かなり古くからあったような気もするし……。もしかして(ちょっ
と自意識過剰かもしれないけど)私のリクエストを見てserowさんは、そういう
用途にも使えるようにと、sedの日本語化を決意した、なんてこともあり得る
んじゃなかろーか?などと(勿論それだけが動機じゃないだろーけど)思ったり
しちゃったりするんですね。

 どうも増長気味かな、とも思うんですが、真相はどうなんだろう? serowさん
見てます? 教えて欲しいんですけど。

(続く)


[ RESPONSE: 37 of 38 ]
Title:第2水準漢字と私
Date : 3:08pm 4/15/89 From: pcs13565 (ask)
《16,17夜はまたしてもサボってしまった》
《そんなこんなで第18夜になると》

 う〜ん、serowさんはこのsigはROMしてないのかなぁ?
 ま、いーや。

 ところで、2水の話の続きですが、その後、まだVJE−Toolsが出る前、
動詞や形容詞で登録したい2水漢字が結構たまってたのに、登録できないという
もどかしい状態があったわけですね。
 で、voidさんに登録して欲しいリストをメールして頼んだわけです。以下がそ
の内容です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
奢(おご)る   驕(おご)る   悖(もと)る  咎(とが)める
煌(きら)めく  蠢(うごめ)く  軋(きし)る  犇(ひし)めく
迸(ほとばし)る 翔(と)ぶ    漲(みなぎ)る 囀(さえず)る
啼(な)く    頷(うなず)く  嗤(わら)う  呟(つぶや)く
喘(あえ)ぐ   呻(うめ)く   啜(すす)る  唸(うな)る
囁(ささや)く  咆(ほ)える   毟(むし)る  縺(もつ)れる
捩(よじ)る   捩(ねじ)る   抓(つね)る  抉(えぐ)る
孕(はら)む   睨(にら)む   嗅(か)ぐ   舐(な)める
貪(むさぼ)る  揉(も)む    梳(す)く   顰(しか)める
顰(ひそ)める  囃(はや)す   嬲(なぶ)る  嗾(けしかけ)る
騙(だま)す   誑(たぶら)かす 諛(へつら)う 懼(おそ)れる
竦(すく)む   慄(おのの)く  贖(あがな)う 搦(から)める
娶(めと)る   凭(もた)れる  斃(たお)れる 躓(つまず)く
譬(たと)える  聳(そび)える  抬(もた)げる 佇(たたず)む
褪(あ)せる   甦(よみがえ)る 炒(いた)める 炙(あぶ)る
焙(あぶ)る   茹(ゆ)でる   纏(まと)まる 誂(あつら)える
沁(し)みる   滲(にじ)む   痒(かゆ)い  逞(たくま)しい
儚(はかな)い  腥(なまぐさ)い 訝(いぶか)しい
夥(おびただ)しい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 後になって見ても、これらの用言はVJE−Tools付属の用言.dicにも殆ど
入っていない(3個だけあった)んですよね。だからお役に立つ人も多いかと思い
ます。
//////////////////////////////////////////////////////////////
以上、引用終わり。
ここまで全部読み通した人が何人居るだろうか?
アンタはエラい!!


タグ:漢字 日本語
nice!(1)  コメント(9)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 9

もちろん

長~~~い(笑)。何となく面白いです。「何となく」というのは、アスキーネットとかを含めて意味が分からない単語がたくさん出てきたためです。でも雰囲気が何となく伝わります。こういう話って何故か好きです。
私が初めてPCを買ったのは、1990年代後半で、もうWindows時代でした。恥ずかしながら、第一水準とか第二かを意識したことはないです。勉強になりました。
by もちろん (2008-06-26 23:53) 

ask

>意味が分からない単語がたくさん

ええ、それはそうだろうなと思いつつも、あえて注釈は付けませんでした。というより付けるのをサボりました。ごめんなさい。

 で、謝りついでにお願いですが、ご面倒でも【分からない言葉】のリストを提示して貰えないでしょうか? そしたら、このコメントで説明しますので。
by ask (2008-06-27 00:27) 

もちろん

すみません。お返事頂いていたのに、遠出してたので見てませんでした。最近、出張が多いんです・・・
さて、今更ですが、最初の方で分からなかったのは、アスキーネット、PDS、98、98漢字、入力は16進コード、ランダムファイルなので文書フロッピーがすぐいっばい、5インチ2Dのドライブなどです。この中で、98はNECの98シリーズのパソコンのことなんですよね。あれは、すごいものだったんですか?余りに素人の質問かつ、意図の不明瞭な質問ですみません。
by もちろん (2008-07-02 23:32) 

ask

もちろんさん、ご質問ありがとう。では解説します。

>アスキーネット
コンピュータ関連の出版社アスキーが、1985年のパソコン通信元年に始めた無料の実験システムで、その後有料化され、1997年に終了しました。その頃はマイナーだったパソコンマニアが集結して熱気に溢れていました。なので、特に初期には女性ユーザーは1%くらいしか居なかったのです。皆さんが善意の人で、極めておおらかなコミュニティを形成し、今の〈ネット社会の闇〉のようなものはありませんでした。ごく稀に「ヘンな奴」は出現しましたが。詳しい歴史は
http://ja.wikipedia.org/wiki/アスキーネット
をご覧下さい。と言ってもこの記事はごくごく一部しか述べていないので、膨大なディテールの面白さは分かりませんが。

>PDS
Public Domain Softwareの略です。著作権を放棄した、「自由に使って下さい、対価は求めません」という善意によって提供されたフリーソフトです。アスキーネットには前述のようにコンピュータに詳しいハッカー(←本来の意味での。コンピュータのウィザードと言うべき極めて優秀なプログラマー)がごろごろ居たのです。アスキーネット内でこれを集積して、検索やダウンロードを効率的に出来るようにした場がpoolでした。

>98漢字
PC-9801という機種には、JISで決められた漢字コード以外に、それに無い文字を補完するために独自に作られた文字がありました。ローマ数字、丸付き数字、(株)、トンなどの単位記号etcです。他のワープロでも事情は同じでしたが。よく使われる文字なのに、JISコード制定時につい取りこぼしてしまったヤクモノ的な言わば痛恨の文字たちですね。これは機種依存文字とも言われ、他の機種では読めなかったり文字化けしたりする訳ですが、それを知らないとついつい使ってしまって、他の機種ユーザーから「読めない」と苦情が出たりしてたのです。

>入力は16進コード
漢字は字数が多いので1バイトでは網羅出来ず、2バイトでコード化されました。2バイトということは16bitですから“0111011000110101”などと16個の0か1で表現される訳ですが、これはいかにも煩わしいので16進数という表記法がコンピュータの世界ではよく使われたのです。
10から15までの数字をA〜Fとして、00からFFで1バイトの全ての数を表示出来ます。10は0A、15は0F、16は10、255はFFです。かな漢字変換システムが出る前は、漢字の入力は漢字コード表を参照して、その16進数コードを”3DF4”などと直接入力するしかなかったのです。0か1かよりはましとは言え、もの凄い煩わしさです。

>ランダムファイルなので文書フロッピーがすぐいっばい
ランダムファイルとは、シーケンシャルファイルに対するもので、普通のテキストファイルなどはベターっと文字コードが際限なく並ぶ形ですが、ランダムファイルはデータ(レコード)が個々に固定長で構造化されて順番に保存されます。そのため、何番目のデータを読みたいという時にディスク上のレコードのありかが分かりますから、即座に直接そこを読みに行けるのです。ただ、あのワープロソフト「漢神」の場合、1行を1レコードとして記録していたため、「ただの改行」でも80バイトを消費してしまうというように、効率の悪い保存方法だったのです。
ランダムファイについての詳しい説明は、
http://homepage1.nifty.com/tabotabo/aprc/apr23.htm
にあります。

>5インチ2Dのドライブ
フロッピーディスクという外部記憶装置の進化は、8インチ片面単密度→5インチ両面単密→5インチ両面倍密度(これが2D、DはDensityの略、容量320KB)→5インチ両面倍密倍トラック(2DD、98F2で採用、640KB)→5インチHD(1.2MB)と進んで来たのです。今から思えば貧弱な容量ですが、出る度に「おー凄い大容量化が実現した!」と喜んだものです。

>NECの98シリーズのパソコンのことなんですよね。あれは、すごいものだったんですか?
はい、凄かったのです^_^; 狂喜乱舞です。
by ask (2008-07-03 21:59) 

もちろん

askさん、おお~ありがとうございます!
askさん、すごいですね。私がいかに何も知らないかがよく分かりました。感動です。入力は16進数コードなんて想像もできません。そういう時代があったんですね~。フロッピーディスクも結構大きかったんですね。今や、フラッシュメモリとかメモリカードとか(私の携帯に入れているメモリカードは2GB)、ipodなんてもっと凄い。この分野の進化は激しいですね。
by もちろん (2008-07-05 00:33) 

nyagao

いやあ、懐かしいものを見せていただきました。
by nyagao (2010-01-11 23:19) 

ask

これはこれは、nyagaoさんではありませんか。
これを読んで旧友が釣れたのは初めてです。Zom-1さんも見たようですが。
Twitter でもフォローしてもらったので、早速フォロー返ししました。
by ask (2010-01-12 00:32) 

Carp.

をぉ。 な、なつかしい!
どうも、本当にご無沙汰しています。 ツレアイのLOU(当時のハンドル)も元気しとります。 互いに歳取りましたが…

僕の方は、ブログをやることもなく(mixiでは1月に1度くらいの頻度で「日記」書いとりますが)ずーっっと昔につくったサイトを時折更新する程度です。 ただ、今年は2年ぶりに更新て近況を書いたので、もしよければ、ご笑覧下さい。
by Carp. (2010-01-12 15:37) 

ask

ややっ!Carp.さんまで!!
本当にご無沙汰です。なんか不義理をいたしたようで申し訳ないような。
nyagaoさんにTwitterでフォローされ、mixiでLotechさんも含めて交流していると聞きました。
サイト拝見しました。お元気そうでなによりです。
by ask (2010-01-12 21:49) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。