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「ただの〜」づくし [言葉]

 「ただのデブ」という言葉を使ったタイトルの小説があると言う。非常に魅力的というかインパクトのあるタイトルだ。(「天才的だ!」とまでは思わないんだけどね。)
 「ただの」という言葉は、その後に続く名詞によってはかなり強い効果を持つ。「デブ」とか「バカ」とか「ブス」とかの否定的あるいは差別的な言葉が付いた場合、そこにはそれをさらに貶める強調的なニュアンスが付加されるだろう。
「ありきたりな、つまらない、どこにでも居る、平凡で無価値な」
「それ以上でも以下でもなく、まさにそれそのもの、それ以外の何物でもない」
しかもそれが本来的に良くない存在である、と。まぁ、そこまで否定しきらなくても、距離を置くと言うか、素っ気ない態度と言うか、白けていると言うか、そんな雰囲気を醸し出す、かなり効果的な表現ではあろう。
 つまり、この言葉には対象を〈客体化〉〈相対化〉する機能があるのだ。
 そこで、久々に「〜づくし」シリーズの一環として、「ただの〜」づくしと参りたい。 

●「通りすがりのただの町人
●「10で神童、15で才子、二十歳過ぎたらただの人
●「ただの歌詞じゃねぇか、こんなもん」

…と、ここまでは割とすんなりと出たのだが、

 つっ、続かん!!

なんかもっと色々ありそうなんだがなぁ。
 勿論、あらゆる名詞に付けられる「汎用性の高い」言葉なんだけど、「人口に膾炙した」のって意外に少ないのかも。
 自分の創作としては、

●「葵の御紋は水戸黄門、*の御紋はただの肛門

てのがあるけど、ちょっと怖いので伏せ字にせざるを得ない。(*は象形文字で、伏せ字になってないって?)
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duznamak

ファミコン世代にとって非常にインパクトのあった“ただの”と言えば、

「へんじがない、ただのしかばねのようだ」

ですね。
ほかに僕が思いつくのは、

「ああ、あれ? あれはただの劇的効果」
「ソフトなければただの箱」
「ただの人間には興味ありません」
「楽しくやろうぜ。ただのボールゲームだ」
「文学部唯野教授」

ってとこです。
by duznamak (2008-05-29 07:22) 

すうちい

「ただの~」ねぇ…
「言っただの言わないのだのうっせ-んだよー」と変化球で切れてみせましたがいかが?
by すうちい (2008-05-29 09:16) 

ask

duznamakさん、いろいろ挙げてくれて有り難うございます。

>「へんじがない、ただのしかばねのようだ」
これの出典わからないです。

>「ああ、あれ? あれはただの劇的効果」
IBMのサーバーかなんかのCMで、「あれはただの演出です」て似たようなのがあったような。

>「ソフトなければただの箱」
これの元ネタはやはりCMで「冷蔵庫、電気なければただの箱」でしたね。

>「ただの人間には興味ありません」
>「楽しくやろうぜ。ただのボールゲームだ」
聞いたような気もするけど、わからない。

>「文学部唯野教授」
これは勿論頭をかすめたんだけど書きませんでした。
by ask (2008-05-29 23:57) 

ask

すうちいさん、コメント有り難うございます。

>言っただの

ははは、変化球!なるほど。

ややすっぽ抜けしてませんか?
by ask (2008-05-29 23:58) 

duznamak

>出典

 「へんじがない、ただのしかばねのようだ」は、ゲーム<ドラゴンクエスト>シリーズで、死体や骸骨に対して“はなす”コマンドを実行したときに表示されるメッセージです。アンサイクロペディアにも、このメッセージに関する項目が立ってたりします。

 「あれはただの劇的効果」は、ラファティの短編「七日間の恐怖」のオチの台詞。ラファティらしさに満ちた、非常にインパクトのある1文です。

 「ただの人間には興味ありません」は、谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』より。ハルヒの台詞の中では最も有名なものの1つで、よくパロられます。

 「ただのボールゲームだ」は、あだち充のマンガ『H2』より。甲子園での試合が始まる前に主人公がライバルに向けて投げかけた言葉です。
by duznamak (2008-05-30 09:35) 

ask

>>出典
ご丁寧に補足、ありがとさんです。
ふむふむ、なるほど。
by ask (2008-05-31 00:18) 

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