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山火事、資源濫費、サブプライム問題、バイオエタノール [世の中]

 カリフォルニアのロスアンゼルスからサンディエゴにかけての山火事で、東京23区の2.6倍にあたる1600平方キロを焼き、1500軒の家が焼け、90万人以上の住民に避難命令や勧告が出ており、さらに6万8千軒に火が迫っているようだ。砂漠を渡って来た乾燥した風にフェーン現象が加わっての惨事らしい。
 知事のシュワちゃんは「乾燥(湿度10%以下)、高温(30度以上)、強風(最大風速30メートル)の三拍子がそろった『山火事に完璧(かんぺき)の状態』」と言ったとか。(「山火事日和」とか「山火事にはもってこいの日」の方が気が利いているのではないか?というのは不謹慎だろうが)
 結局この異常気象もまた地球温暖化の現れのように思われる。この火事のおかげで、いよいよアメリカも温暖化問題に正面から向き合う気運が強まるのではないか。
 それにつけても、腹立たしいのはアメリカ人のライフスタイルの凄まじいばかりの浪費ぶりである。アメリカには熱心な(自称)キリスト教徒が多いようだが、(アーミッシュを除いて)彼らは「富める者が神の国に入るのはラクダが針の穴を通り抜けるよりも難しい」とか「剣を執る者は剣に滅びる」とかのイエスの言葉を知らないのだろうか? 聖書の記述を絶対的に信奉して進化論を否定するファンダメンタリストたちは旧約(それも創世記だけ)しか読んでいないとしか思えない。ブッシュ大統領は"God bless America!"などとよく叫ぶようだが、これって和訳するとなんのことはない「神州不滅」ってことではないか。
 一見宗教的だが、実はあれほど背教的で現世享楽的刹那主義的な国民は世界に二つとないのではないのか? 富と軍事力に酔い痴れているとしか見えない。
 例の低所得者向け住宅ローンのサブプライムローン問題にしても、借金してまで(日本の感覚で言えば)〈豪邸〉に住んで贅沢な暮らしをし、モノを大量に浪費し続けたいという志向が根底にあるだろう。物欲の権化と言うしか無い。
 さらには、最近温暖化対策と称して急速に拡大しているバイオエタノールだ。車を動かすのにトウモロコシを燃やすなんて、食べ物を粗末にすることおびただしい! 車を1キロ走らせるだけのトウモロコシで一体何人の飢えた子の1日の食事がまかなえるのか? そもそも、エタノールを作るのにも大量のエネルギーが要るのだし、CO2を減らす効果は期待ほどではあるまい。トウモロコシへの転作のあおりを食らって大豆や小麦が減り、日本の食品の値段も上昇中だし、世界的に貴重な食料になんて事をするのだ!と怒りを覚える。
 温暖化対策にアメリカが消極的であり、なおかつ中国、インドなどの膨大な人口を持つ国が経済成長を続けている現状はお先真っ暗としか思えない。途上国に「もう成長はやめろ」と言う権利は、先に発展して贅沢し放題の先進国には無い。途上国を説得するには、自ら率先垂範して、先進国が生活水準を大幅に下げるしかない。「三丁目の夕日」の頃(昭和三〇年代初期)くらいの(程度じゃ済まないかもしれないが)…。
 しかし、環境への危機意識が比較的強いと自認している私でも、そういう事態を受け入れるには相当な覚悟が必要であり、辛いことだろう。ましてや、全先進国の全国民がそういう選択をする、などということは殆ど不可能に思える。アメリカ人には絶対に耐えられまい。
 結果はもはや見えている。今の一の苦痛を避けて先送りにしていずれ百の苦痛、つまり破局的な事態が起こるまでCO2は増加し続け、何十億人もの死者(主に餓死、それと風水害死、及び戦乱死)が出ることになるだろう。それは100年後などという遠い未来ではなく20年もあれば十分かもしれない。


タグ:温暖化
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doga-n

トウモロコシを燃料にするのは私も疑問があります。というか私はトウモロコシ好きなので、安く食べたいのです。
by doga-n (2007-10-25 08:33) 

ask

ponさん、コメント有り難うございます。
私もトウモロコシ好きです。
もっとも、アメリカのはそのまま食べるのには向いてないようですが。
by ask (2007-10-25 23:22) 

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