「諸悪の根源」の使い方 [言葉]
最近の芸能ニュースがつい目に入ってしまったので、〈日本語風紀委員会〉の末席を汚すものとして一言。
「諸悪の根源」という極めて強烈な言葉は、「資本主義」や「共産主義」、「キリスト教」や「イスラム教」、あるいは「憲法」など、社会全体の動きを根底から左右する巨大な存在について述べるときに使うものである。
それを〈たかが芸人風情の小娘〉が、そのお行儀の悪さを一生懸命謝罪しようとしてのこととは言え、こんな極端な言葉を使うとは、片腹痛いというものだろう。
公式ブログでの謝罪文というのは、恐らくゴーストライターが書いているのであろう(ってーか、本人に「諸悪の…」なんて語彙があるとは到底思われない)が、概ねひたすら謙虚に謝罪の姿勢を示そうとしているのに、勢い余ったか、この言葉がその意図を台無しにしている、と見える。
これじゃまるで、
「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな私のせいなのよ」
と居直ってさえいる、いかにも「女王様」然とした言葉使いではないか? それじゃ謝罪になってねーっての!
ゴーストライターたるもの、言葉のプロである筈。日本語には気をつけるべし。
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「諸悪の根源」って、若い頃よく仲間内の冗談混じりで使ってたような気がします。久しぶりに聞きました。今時ああいう若いコが使うと違和感ありますね。ゴーストライターだとすると同じ世代・・・?(笑)
by michaela (2007-10-10 22:12)
>ゴーストライターだとすると同じ世代・・・?
いや、意味が分かってないので、若い人でしょう。
待てよ、「余人をもって…」の例もあるから、すごく高齢なしかも言葉のプロって可能性もあるかな?
by ask (2007-10-11 07:26)